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同業他社の一七・一%、S&P五OO種の一七・六%に比べて極めて低率だった。 Pの目前にあったのは、簿価より下値で取引されていて、キャッシュフローを生む資産分売プログラムの実行にとりかかっている、そして、最も重要なのは、株主本位の経営をする経営トップがいる企業、だった。
Gス社としては、かつて航空機と宇宙システム部門は中核事業として残ると考えていたが、Aは、これらの事業をも売ることに決めた。 航空機製造事業部門は、R社に売却。
同社と、Rそれにボーイングのコ一社は、次世代戦略戦闘機の開発について、三分の一ずつのパートナーを組んでいた。 ここでR杜は、G社が従来からつくっていたFM戦闘機の製造部門を傘下に収め、Fnの開発プロジェクトの三分のこのパートナーになったことになる。
また宇宙システム事業部門は、打ち上げロケットのタイタンシリーズのメーカーであるM社に売却された。 G杜は、航空機と宇宙システム事業の売却で一七億二OOO万ドルを手にした。
この現金を、同社はまた株主に還元することに決め、一九九三年四月、一株当たり二0ドルの特別配当を行なった。 また、七月には一八ドル、一O月には一二ドルの特別配当を行なっている。
こうして、一九九三年中に行なった特別配当は合計五0ドルにのぼった。 また四半期配当も、一株0・四0ドルから0・六0ドルに引き上げている。
一九九二年七月から九三年末までに、Pは、一株七二ドルの投資について、普通配当二・六0ドルと特別配当五0ドルを受け取ったうえに、株価は一O三ドルにまで上がっていた。 AがG社の価値を現金化して、それを株主に還元するという手続きを実行に移してから、同社の株価は、同業他社だけでなく、S&P五OO種をも上回る成果を上げている。
Pは、この銘柄をいつまで保有するのだろうか。 彼の答えは、株主資本利益率の見通しが満足すべきものであり、株価が割高にならず、経営者が正直で有能である、という条件を満たしている限り、売却はしないということだった。
現在の株価が割高かどうかは明らかではない。 しかし、Aが正直で有能な経営者であることは疑いの余地がない。

AとG杜との組み合わせは、教科書的な模範例と言えるだろう。 業界全体が逆境にあるとき、そのなかにある企業がかどうすれば優れた経済的利益を上げることができるか。
ということを示していると思われるからである。 一九七O年の下院立法で設立されたFと略称されるこの政府系機関は、株式を一般に公開している。
その規定による業務は、住宅モーゲージ証書の流通市場を構成することになっている。 Fは、貸し手からモーゲージ証書を買い取り、それを集めて証券化する。
モーゲージを種にして、こうして発行された証券は、投資家に販売される。 資本市場とモーゲージの貸し手を、このような形で結びつけることによって、Fは貸し手と投資家の双方にとっての、モーゲージのコストを引き下げる働きをすることになる。
このコスト低減分は、貸し手がそれだけ有利な条件を提示することができるため、最終的には住宅購入者に還元されることになる。 Fの事業は、簡単である。
収入の流れは、純利幅と呼ばれるが、次の三つの源泉からきている。 第一に、貸し手のためにモーゲージの管理、利払い等の出納を行ない、証券への投資家のために元本返済、利払いの保証をする見返りに手数料を徴収する。
この手数料は、モーゲージ証書の期限までの全期間を通じての収入になる。 第二に、毎月、モーゲージの貸し手から、元本返済と利払いに相当する金額を受け取る。

これは右から左に、モーゲージ証書を保有する投資家に支払われるものだが、それが実行されるまでの問、Fは、これを短期の証券に投資して投資収益を得ることができる。 第三に、Fは、モーゲージの少部分を自社のポートフォリオでも保有する。
他の金融機関と同様に、投資利益と金融コストの差額が収入になる。 これらの三つの収入源が、同社にとって、年金的な収入の流れをつくり出している。
一九九二年に発行された七OOO億ドルの一世帯用住宅モーゲージのっち、六四%がFとその兄弟分のF(フェデラル・ナショナル・モーゲージ・コーポレーションリ連邦抵当金庫)によって売却され、証券化された。 Fも政府系機関であり、Fと似た機構と事業内容を持っている。
この両社はもろに競合するが、他からの参入には高い障壁がある。 急成長を続けている市場でか二社寡占。
状態にある。 Pは、「二社寡占は独占に次ぐ最善の形だ」と言っている。
両社の事業の幅と大きさ、そして政府系機関という立場も有利に働いて、モーゲージの流通市場で、他の企業が相当程度のシェアを獲得することは難しい状態にあったし、これが将来にわたって続くものと考えても、決して無理ではないと思われる。 この寡占状態に加えて、市場そのものが成長を続けることが予測されるのも、両社にとって好ましい背景だった。
過去一O年、従来型の一世帯用住宅モーゲージのうち、流通市場で売却されるものの比率は増加したが、それがさらに増えることが見込まれる。 一九九O年に貯蓄貸付組合(S&L)関係法の改正があり、S&Lは、多種類の証券化されたモーゲージを保有するときには、従来より高率の貸し倒れ準備金を積まなければならなくなった。
ということは、新法によって、モーゲージの貸し手は、FとFにより多くの仕事を出さなければならなくなったのだ。 証券化されたモーゲージ貸し付けの比率が、一九八八年の三三%から九二年には六O%にハネ上がっていることが、それを証明している。
一九八四年、Fは、フェデラル・ホーム・ローン・ボード(連邦住宅貸付会議)のメンバーであるS&L各社を対象として優先株を発行した。 これは、要するにFの資本をS&Lが拠出しているということになる。

その後数年が過ぎて、その株式が同社の潜在的な価値を反映していないことから、株式を公募して、ニューヨーク証券取引所に上場することが決まった。 Fは、結構な額の手数料と差益を得る一方では、金利リスクは回避することができる(同社はモーゲージをごくわずかしか持たない)。
だから、上位一O%のS&Lよりはよい企業である。 それは、同社の株主資本利益率の高い水準が証明している。
S&Lと比較して高い利益率を維持できる理由の一つは、同社は預金保証保険の掛金を支払わずにすむという点にあった。 一九九二年四月、同社は一株を三株とする株式分割を行なった。
Pは、その前年に持株を増やしていた。 九二年になって買い増しを始めて、年末には、分割後の株数で二ハ一九万六七00株と、買い増し前の二倍の株数になっていた。
これは意味のある買いだった。 株価は前年に、すでに一八二%の上昇を見せていたのだが、新たに三億三七OO万ドルを投入したため、株は、今や発行済株式数の九%に達している。
これだけの肩入れをするからには、を認めていたことは明らかだった。 一九八六年のFの純益は、二億四七OO万ドル、九一年には五億五五OO万ドルに増加している。
五年間に、オーナー収益は年率一七%の伸びだった。 同社の価値は、現在の利益の還元値だけでなく、将来の利益の伸ぴをも考慮に入れたものだったが、Pが同社の長期的に見た潜在力を高く評価していたことは明らかだ。

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